WAVELIO ACOUSTIC TELEMETRY — 推奨残響基準 RT60: 0.32s〜0.42s / HPF: 80Hz (-12dB/oct)
ウェブリオ・オーディオスタジオ WAVELIO AUDIO STUDIO / HOME ACOUSTIC LAB
ウェブリオ・オーディオスタジオ / LAB REPORT #03 // NOISE NULL-POINT & 80Hz HPF CHAIN

AIノイズ除去で声を劣化させない「カーディオイド死角配置」と80Hzローカット設計

単一指向性マイクの背面180度(ヌルポイント)でPCファン音を物理遮断し、80Hzハイパスフィルタで暗騒音だけを切り落とすシグナルチェーン。

監修・測定:中島 葵(Wavelio Acoustic Lab) 読了目安:8分 対象環境:賃貸4.5畳〜10畳・自宅ワークデスク

1. AIノイズキャンセリングを強くかけるほど「声のツヤ」が失われる理由

Web会議アプリや配信ソフトに搭載されているAIノイズ抑制(強設定)は、エアコンの風切り音やPCファンの回転音を消す際に、人間の声に含まれる子音(サ行・タ行の2kHz〜6kHz成分)や語尾の自然な減衰まで一緒に削り取ってしまいます。これが「水中から話しているようなケロケロ声」の原因です。

ソフトウェアのノイズ除去を「弱」または「オフ」にしても静寂を保つ秘訣は、①単一指向性マイクの背面死角(ヌルポイント)を騒音源に向けること、そして②80Hzハイパスフィルタ(ローカット)で空調の低周波振動だけを切り落とすことの2段階にあります。

× ソフトウェアのノイズ抑制「強」に頼り切る

PCケースのファンに向かってマイクを置き、ソフト側で無理やり消音するため、笑い声や語尾が途切れ、長時間の聴取で聞き手が疲弊します。

◎ カプセル180度死角配置 + 80Hz HPF処理

物理的にPCファン・エアコンの音を−15dB〜−20dB減衰させた上で、80Hz以下の暗騒音だけをカットするため、声の倍音が100%無傷で残ります。

2. 「80Hz・12dB/oct」ハイパスフィルタとピーク −12dBFS のゲイン設計

人間の話し声の基本周波数(基音)は、成人男性で約100Hz〜150Hz、成人女性で約200Hz〜250Hzです。つまり、80Hzより下の周波数帯には「声の成分」はほとんど存在せず、エアコンのコンプレッサー音、冷蔵庫の唸り、外のトラックの走行振動、机の微振動だけが集まっています。

オーディオインターフェースやマイク本体の「ローカット(HPF 80Hz)」スイッチをオンにするだけで、声の太さを一切損なわずに部屋の空気感が一気に澄み渡ります。

3. 自宅ボイス収録・推奨シグナルチェーン設定値一覧

処理ステージ 推奨設定パラメータ 音響的な狙い・効果
① 指向性配置 カーディオイド背面(180°)をPC/空調へ正対 物理的なファンノイズ混入を最大 −20dB 低減
② 入力ゲイン 通常発声時 −18dBFS / 最大ピーク −12dBFS 笑い声や強調発声時のデジタルクリップ(音割れ)防止
③ ハイパス(HPF) カットオフ 80Hz(スロープ 12dB/oct) 空調・道路振動・マイクアーム経由の低周波ハムを除去
④ 出力ラウドネス モノラル −16 LUFS 〜 −14 LUFS(True Peak -1.5dB) どの端末・イヤホンでも音量調整不要で聞きやすい基準

4. コピーして使えるセッティング仕様書(制作メモ用)

以下の設定パラメータを録音ノートや配信ソフトのプロファイルメモに貼り付けてご活用ください。

クリアボイス収録・シグナルチェーン設定仕様書
【Wavelio Lab 自宅ボイス収録シグナルチェーン基準】
■ 指向性モード:単一指向性(Cardioid)固定
■ ヌルポイント配置:マイクの真後ろ(180度)をPC排気ファン/エアコンへ向ける
■ プリアンプゲイン:通常発話でメーター −18dBFS〜−12dBFS に収める
■ ローカット(HPF):80Hz(12dB/oct)をONにして空調・振動ノイズを遮断
■ ノイズ抑制ソフト:物理対策後に「弱(Low)」または緩やかなエキスパンダーのみ適用

5. 収録前セルフ検証チェックリスト(ブラウザ自動保存)

各項目のチェック状態はこのブラウザに保存されます。収録・オンライン登壇の直前確認にお使いください。

セットアップ完了度:0 / 5 項目